
広場ではゲストとして参加してくださった住民課有害鳥獣担当の大和田さんと今井さん、保健センター保健師の鈴木さん、月形猟友会から藤部さんと桑原さんから専門的な話を伺うことができました。「有害鳥獣」を様々な視点から捉えることにより、総合的に深く学ぶことができ、日常での疑問や不安を取り除けたのではないかと思います。
私にとって有意義な2時間でした。
以下はその内容です。
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第7回ふきのとう広場 『有害鳥獣って?』
◎月形町における有害鳥獣の駆除方法(主なもの)
・キツネ:エキノコックス対策と農作物の食害の防止 → 月形猟友会へ駆除依頼
・カラス:廃棄物処分場(衛生センター)の散乱防止 → 月形猟友会へ駆除依頼
・エゾシカ:農作物の食害 → 被害状況を確認し、道へ許可申請 → 月形猟友会へ駆除依頼
・アライグマ:特定外来生物、生態系への被害、食害 → 農水省・環境省への許可申請、取得 → 町で箱ワナを購入、被害者へ貸しだし捕獲駆除
◎有害鳥獣による▲被害状況、◆生態、●予防策
町で集計しているデータは、農家などからの被害報告があったもののみ。駆除実績と被害の実態もリンク(相関)していない。実際には月形町全域で足跡や姿が確認されており、家庭菜園等も含めると全町で被害がでているものと思われる。
【エゾシカ】▲被害が目立つのは、6〜7月と9月頃
▲野菜や庭木などの新芽、稲の幼穂の食害(つまみ食い)
▲農業用トンネル、田畑などの踏みつけ
◆一般に雪のない時期しか里に下りないが、今期は12月、2月にも目撃
◆夜行性。一晩でかなりの距離を移動する。石狩川も泳いで渡る。
【アライグマ】▲果菜(スイカ、メロン等)、トウキビ、庭の果樹の食害
▲納屋に保管している穀物袋や牧草ロールを破る。糞尿害。
◆生態はあまりわかっていない
◆外見はタヌキに似ているが性格は凶暴
◆タヌキより顔が白い、尻尾が長い。指の長い足跡が特徴
●電気柵が有効。犬を飼うことも比較的有効
【キツネ】 ▲●アライグマと同様(同じような被害を出すので混同されている)
◎有害鳥獣による健康被害
様々な人畜共通感染症(例:キツネ=エキノコックス、アライグマ=回虫)があるので、接触しないように注意する。もし噛まれたり引っかかれた場合は、すぐに病院へ!
【エキノコックス症】
▲エキノコックスとは寄生虫で、成虫と幼虫とで寄生できる動物はそれぞれ決まっている。また動物内でエキノコックスが繁殖(幼虫→成虫、成虫→卵)する好適宿主と、寄生するだけで繁殖しない(ただし増殖はする)非好適宿主がある。
《成虫》・・〈好適宿主〉キツネ・イヌ 〈非好適宿主〉ネコ・タヌキ
《幼虫》・・〈好適宿主〉ネズミ 〈非好適宿主〉ヒト・ブタ・ウマ
▲感染経路
・人が感染するのは「卵」が口から入ったとき(キツネ、イヌの糞に混じった卵)
・幼虫が入っても感染しにくい(ネズミ、ウマ、ブタからは感染しにくい)
・人から人へは感染しない
・感染したネズミを食べたイヌは感染する(イヌからも人に感染する)
→ 愛犬がエキノコックスに感染しないためには
・散歩中の拾い食いをしない。
・公演、キャンプ場、野原などでむやみに放さない。放し飼いにしない。
・散歩中のイヌの便は持ち帰る。
▲エキノコックスの卵の特徴
・熱、乾燥に弱い(加熱して食べれば大丈夫)
→ 100℃1分以内で死滅。
・低温、湿潤条件では長期間生き続ける
→ 4℃で約9ヶ月、ー30℃で約1ヶ月生存(感染)した例がある。
→ 25℃では2週間程度生存。
▲対策(日常生活で気をつけること)
◎外から帰ったら手を洗う
・ペットのイヌの糞の始末をキチンとする(マナーだけの問題ではない)
(ペットのイヌから直接感染することはないが、糞からは有りうるため)
・キツネに餌付けをしたり触らない(体毛に卵が付着している可能性)
・生ゴミや残飯を放置しない(キツネのエサとなる。人家周辺に近づけないため)
・野山の果実や山菜は、よく洗うか加熱する
◎その他
※ 町では住民検診時に、エキノコックス症検診(血液検査)を実施しています(5年に1度の検査で有効)。エキノコックス症は発症までに5〜10年を要するので、検査をキチンとしていればむやみに怖がることはありません。
※ 有害鳥獣の被害にあったときは役場住民課に連絡して下さい。
※ アライグマの箱ワナは、誰でも借りることができます(住民課まで)
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